仏教 宗教 輪廻転生・生まれ変わり

輪廻転生(生まれ変わり)することが、なぜ悪いのか?・・・根本的な疑問に答えます。

 

みなさん、こんにちは。

 

今日は、なぜ〈輪廻転生〉する事が悪い事なのか?という疑問にお答えしたいと思います。

この根本的な疑問を、ずっと持っておられる方も多いと思います。

 

今回は、その理由をお話しいていきます。



Contents 目次

1、苦しくて悪い境界を果てしなく回る

1、なぜ、輪廻が悪いのか?

 

私たちは、輪廻転生していると考えられています。

仏教では(バラモン教やヒンズー教でも)、その輪廻の輪から抜け出して解脱(げだつ)することが大切だと教えます。

 

では、そもそも何故、輪廻することがよくないのでしょうか?

 

それは、悪い境界(きょうがい。その人が置かれた状況のこと)をぐるぐると回って歩くからです。

 

「輪廻」という言葉自体は、別に悪いことを意味しているわけではありません。

良い境界だけをぐるぐると回っていうのならば、それは、輪廻をしても良いでしょう。

 

「輪廻」とは、“輪を廻る”と書きます。

直線だったならば、行き止まりがあります。

しかし、輪には行き止まりはありません。

 

“輪”ですから、始まりもなければ終わりもない。

ズーとぐるぐると回っているわけです。

 

その回る領域というのが、良い境界ばかりならば、特に問題はないでしょう。

しかし、そうではないから困るわけですね。

 

 

2、〈輪廻転生〉によって希望が持てる

 

さて、輪廻転生という現象があると知ると、喜ぶ人も多いのではないかと思います。

 

人生がたったの一回きりならば、今、不幸にみまわれている人には苦しいだけかもしれません。

 

そこに、人には〈輪廻転生〉というものがあって、来世もまたあるのだ、と思えたならば、希望が持てるからです。

これまで絶望しかなかった自分の人生に、また「来世がある」という事になると、そこに一筋の光がさしこんでくるわけです。

 

「来世は幸せな人生をおくりたい」

 

そう願って、今を生きる力を持つこともできるわけです。

 

あるいは、今の人生では叶えられなかった〈夢〉を、来世では叶えたい、と思うこともできるわけです。

 

 

3、輪廻転生によって、さらに悪くなるかもしれない

 

しかし、そうは問屋がおろさない、というのが人間の性(さが)ですねぇ。

 

今、苦しい人生を送っている人は、来世では幸せな人生になりたいと思う。

ところが、来世には、今の人生よりもさらに悪い状況・境界の人生になるかもしれないのです。

 

たまにスピリチュアル系の人の中には、人間は生まれ変わるごとに進歩していく、っていう人がいます。

でも、そんな事はありません。

もし、そういうことになったら、今頃は世の中はもっと平和になっているはずです。

人類は、聖人君子だらけの素晴らしい人たちばかり、となっているはずですね。

 

実際には、平和どころか、いつでもどこかで紛争・戦争が起きているのです。

比較的に平和といわれている日本においても、プロの犯罪者集団がいたるところにいますし。

凶悪犯罪に走る人が、後を絶ちません。

 

 

では、今の人生で、さんざん悪いことをして人を傷つけて、金儲けに走った人はどうなるでしょうか?

来世はその“不徳”によって、さらに低くて悪い境界の人生に堕ちることでしょう。

 

また、この人生ではそんなに悪いことをしていない人でも、未来のことはわかりません。

 

来世という未来が、今よりも幸運に恵まれて幸せになれるとは、誰にも保証されていないのです。



2、六道を輪廻する

ここでは、ブッダ釈尊はどう説いているかを、見ていきましょう。

 

1、仏教における輪廻転生の考え

 

今から、約2,500年前(紀元前5世紀頃)、現在のネパールに生まれたブッダ釈尊(釈迦、ゴータマ・シッダールタ)は、修行ののち悟りを開き、その教えを弟子たちに伝えました。

 

それが〈仏教〉です。

 

では、その仏教は、根本的にどのような思想の上に成り立っているでしょうか。

 

それは「業報(ごっぽう、ごうほう)思想」というものです。

 

これは、〈原因〉と〈結果〉が鎖の輪のごとく連なって同一人格の上に現れる、というものなのです。

つまり、連鎖しているという事です。

 

 

2、すべては自分に返ってくる

 

その連鎖が同一人格の上に現れる、というのが特徴です。

ですから、これを「自業自得」と言います。

 

ただし、この場合、その人の生きている間の生涯とは限りません。

この世の行いの報いをこの世で受けるのは当然ですが、この世の報いを受けないで来世で受けることも多々あります。

仏教では、〈現世〉の自分の境遇や才能は、〈前世〉の自分の業報によって決定されると考えます。

ですから、そこに〈過去〉、〈現在〉、〈未来〉の三世の思想が出てくるわけです。

 

と言いますのは、この世の中を見ておりますと、善人が苦しんで滅んでいるという場合がしばしば見られます。

それに対して、悪人が栄えている、という現象が確かに見られますよね。

 

でもそれは、その人の一生涯だけを見ているから、そのように見えるだけなのです。

その人の来世を見てみると、必ず業の報いを受けているのです。

良いことの報いも悪いことの報いも、どちらも平等に生じているのです。

 

 

3、六道(りくどう)を無限に輪廻する人間

 

さて、その業報は、〈前世〉、〈現世〉、〈来世〉と三世にわたって、六道(りくどう)を輪廻しながら現れるといいます。

 

「六道」というのは、

地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人間界、天上界

のことを言います。

 

これをグルグルと回り続けることを言います。

 

当然ですが、この輪廻転生は、いつ地獄界・餓鬼界・畜生界・畜生界などに堕ちるやもしれない苦しいものです。

 

ですので、この輪廻転生の鎖の輪を断ち切らなければいけないのだ、というのが、ブッダ釈尊(お釈迦様)の教えです。

これが仏教の「業報思想」というものです。

【参考記事】六道輪廻についての、詳しい解説です。⬇︎

六道輪廻、そして、十界(じっかい)のお話し

 

3、阿含経に見る〈輪廻転生〉

では次に、釈迦(仏陀・釈尊)が輪廻転生について語った部分を見てみましょう。

 

1、『雑阿含経(ぞうあごんぎょう)・母乳経』の現代語訳より

 

このように私は聞きました。

仏さま(釈尊・釈迦)がコーサラ国の祇園精舎(祇樹給孤独園)にご滞在の時のことです。

 

世尊(釈尊)は弟子たちに告げられました。

「衆生は始まりのない昔から生死を繰り返し、無明におおわれて、愛(愛結)にその首は繋がれ、果てしもなく長い間、輪廻転生を繰り返し続けるだけで苦しみの根本を知らないのです」

 

仏さまは弟子たちに告げられました。

「(次のものを)どのように考えるでしょうか。

恒河(ガンジス川)の水量に四大海の水量を足した総量と、おまえたちがこれまで輪廻転生するたびに飲んだ母乳の総量とでは、どちらが多いでしょうか」

 

すると弟子が仏さまに申しました。

「私が世尊(釈尊)のお説きになった法を理解したことによれば、私たちが果てしもなく長い間、輪廻転生を繰り返す間に飲んだ母乳の量は、恒河(ガンジス川)と四大海の水量よりも多いものです」

 

仏さまは弟子に告げられました。

「よし、よし、その通りです。

おまえたちが輪廻転生を繰り返す間に飲んだ母乳は、恒河(ガンジス川)と四大海の水量よりも多いのです。

なぜならば、おまえたちは輪廻転生中にある時はゾウとして生まれ、その時飲んだ母乳は極めて多量です。

 

また、時にはラクダ・ウマ・ウシ・ロバや種々の禽獣として生まれ、その時飲んだ母乳の量も極めて多量です。

 

また、おまえたちは、輪廻転生の間に、時には墓場に棄てられて膿や血が多量に流出し、

またある時には地獄・餓鬼・畜生の三悪趣に堕ち、髄血が流出することも同様に多量です

 

弟子たちよ、おまえたちははじまりのない昔から生死を繰り返していますが、苦の根本原因を知りません。

弟子たちよ、物質的現象は永遠に変わらず存在し続け得るものでしょうか。あるいは変化するものでしょうか」

 

 

弟子たちは仏さまに申しました。

「世尊よ、永遠に変わらず存在し続けるものではありません」

 

(また、世尊が弟子たちに告げられました)

「弟子たちよ、五陰(蘊)において永遠不変の実在はなく、また永遠普遍に実在するものはないと深く見て理解するならば、世の中に執着する対象がなくなるので、執着する心の働きもなくなるのです。

このことを理解することができた時に、転生するものがなくなったと自ら知ることができるのです」

 

仏様がこの経を説き終わった時、仏様の教えを拝聴した弟子たちは心から喜び、実践しました。

 

2、世界の大会の水の総量よりも多い、母乳の総量

 

いかがでしょうか。

人は輪廻転生をこれまでにずっと続けてきた、とお釈迦さまはいいます。

 

ですので、これまでに飲んだ母乳の総量が、ガンジス川と世界の大会の水の総量よりも多いと釈尊はおっしゃっています。

 

すごい量ですね。

 

『時にはラクダ・ウマ・ウシ・ロバや種々の禽獣として生まれ、その時飲んだ母乳の量も極めて多量です』

 

人間は(動物なども含めて)それだけ無限の輪廻転生を繰り返してきている、と釈迦は説いているわけです。

このようにお釈迦さまは、わかりやすいたとえ話を用いて、弟子たちに輪廻転生(生まれ変わり)について説いておられるのですね。

 

そしてその問題の解決法を明確に説いているのが、釈尊の教えなのです。

 

以上、仏教における輪廻転生の捉え方について、簡単に見てきました。

 

【関連記事】死後の世界、輪廻転生について解説しています。⬇︎

君は誰の、生まれ変わりか・・・〈死後の世界〉の真相

 

4、まとめ

ここまで見てきましたように、「六道」という悪いところを無限に何度もグルグルと回り続けるから、輪廻は悪いわけです。

 

その〈輪廻〉の輪から脱するための教えと法を説いたのが、ブッダ釈尊なのです。

 

  • 悪い境界をぐるぐると回って歩くから、〈輪廻転生〉は悪い
  • 〈輪廻転生〉によって希望が持てることも多い
  • 来世という未来が、今よりも幸運に恵まれて幸せになれるとは、誰にも保証されていない
  • 人間は、「六道(地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人間界、天上界)をグルグル回っている

 

【参考文献】 『君は誰の輪廻転生(うまれかわり)か』(桐山靖雄著・平川出版社)

 


君は誰れの輪廻転生(うまれかわり)か

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